6月24日(水)ソフトバンクグループの定時株主総会開催
ソフトバンクグループ(以下SBG)の定時株主総会資料を読み解くと、そこには孫正義社長が描く壮大な未来像が言及されている。
この記事では簡単に資料の内容を解説する。
1. SBGの描く未来:AIの先にある「ASI(超知性)」の世界
SBGは現在、単なるスマートフォンの会社ではなく、「No.1 ASIプラットフォーマー」を目指す投資会社へと完全にシフトしている。
ここで出てくる「ASI(超知性:Artificial Super Intelligence)」とは、人間の能力を遥かに超越したAIのことだ。孫社長は、これからのAIは単に質問に「答えるAI」から、実際に現場で「働くAI(Physical ASI)」へ進化すると予見している。
具体的には、以下の4つの領域を網羅する巨大なAIインフラを構築中。
- AIモデル: ChatGPT(GPT-5.5など)を基軸とした新たな知能
- 半導体: Arm(アーム)などの低電力・高性能な超世代チップ
- AIインフラ: オハイオやフランスで進む巨大なデータセンターと電力(10GW・5GW規模)の確保
- ロボット: 工場や物流、介護、災害救助で自律稼働する「AIの身体」
「AIはバブルではないか?」という声もあるが、SBGは「AI革命はまだ始まったばかり」と捉え、医療、教育、インフラのすべてを劇的に変える未来に賭けている。
2. 「卵とガチョウ」の理論
投資初心者にとって、この資料の中で最も役立つのが「ガチョウと卵」の例え話だ。投資の世界では、以下の2つの価値をしっかり区別して見極める必要がある。
- 卵(見えている価値): すでに市場で見えている利益や現在の「時価総額」
- ガチョウ(生み出す力): 次々と新しい価値を産み出し続ける「企業そのものの能力」
約16年前(2010年)、SBGの時価総額は「3兆円」だった。しかし当時、保有していた株式などの本来の株主価値(NAV)も同じ「3兆円」だった。これは市場が「現在の卵(3兆円)」しか見ておらず、「新しい価値を生み出すガチョウ(孫社長の投資手腕やインフラ)」を実質0円、つまりまったく評価していなかったことを意味する。
結果どうなったか。16年が経った2026年6月時点、SBGの株主価値(NAV)は74兆円へと、25倍にまで膨れ上がっている。時価総額(37兆円)と比べても、保有している純資産の価値(1株あたり13,000円)は実際の株価(6,500円)の2倍近い水準にある。
価値を爆発的に増やしたのは、卵そのものではなく、「卵を産み続けるガチョウ(金の卵製造工場)」だったということだ。
3. 次の16年で「1,000兆円」を目指す
孫社長の「人生50ヵ年計画」は、70代を迎えてさらに更新された。
SBGは2042年(次の16年後)に向けて、目標株主価値(NAV)を「1,000兆円」に設定している。現在の74兆円からさらに14倍近くに拡大させるという、驚異的なビジョンだった。
現在の株価や時価総額という「見えている卵」だけを見ていると、「もう十分に大きい会社だ」と思ってしまうかもしれない。しかし、彼らの本質は「ASIという金の卵を産み続ける工場」そのものだ。
まとめ
「株価が6,500円なのに、中身は13,000円の価値がある」というSBGの現状は、私たちが普段目にする「売上高」や「営業利益」といった一般的な業績データだけでは企業の真の実態を測れない、という重要な事実を教えてくれる。
SBGは一般的な事業会社ではなく、世界中の企業に投資を行う「持株会社(投資会社)」だ。そのため、同社における本当の業績とは、目先の損益計算書(P/L)の数字以上に、「保有株式価値の増大(Armなど)」と「純負債のコントロール」によって、どれだけ純資産価値(NAV)を拡大できたかという点に集約される。現に16年間でNAVを25倍に成長させてきた事実こそが、同社の最も本質的な経営業績と言える。
※本記事は、ソフトバンクグループが発表した株主総会資料(2026年6月24日発表)を基に作成しています。投資に関する最終決定は、ご自身の判断で行ってください。
参照:ソフトバンクグループHP



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